interview #1 AL brooch

03_安全ピンとカシメ

ムイマール muimaur brooch ブローチ

(「02_一枚の絵のように」からのつづき)

最初は展示会でひとつふたつ旅立っていくくらいで、そんなにたくさん売れるアイテムではなかった。

多分だけど、裏の安全ピンを見て「??」って目を見開くリアクションする方が時々いて…
そのたびに、え?なんで?安全ピンが伝わらないんだなぁって、感じてて。

─ ピンまで作らないんだ、って思う人が少なくないことは理解できます。

確かに…
(ピンまで作ることを)勧められたことは何回かあるから。

─ でも小枝さんの中では、明確に「安全ピン」なんですよね?

そう。
安全ピンはね、もう中学くらいからずっと「特別」。こんなによくできた物はなかなか無い。すごいと思う。これ以上足すことも引くことも必要ない完成品としてリスペクトしてるから(笑)。

安全ピンが使いたくてブローチを作ったわけではないけれど、これが好きな感覚は大事に持ってた。
だからこのブローチは、最初につくったときから「安全ピン」なの。

─ メーカーにもこだわりがあるんですよね。

そうそう、クロバーね。

パッケージにね、針先はていねいに仕上げていますので「布地を傷めません」って書いてあるの。
今の時代に「傷めません」て言い切っちゃうの、すごくない?
痛める可能性がありますのでご注意ください、ってわざわざ書かなきゃいけないような時代にだよ?

穴開けるんだから、そりゃ多少は痛めるでしょってツッコミを入れつつ、そんなこと言ってしまうこの会社あっぱれってワクワクしたことを今でも覚えてる(笑)。

─ この安全ピンを固定する方法の「カシメ」にも思い入れがあるんですよね。

カシメも昔から好きで。
ネジも好きなんだけど、カシメほどの愛情はない…(笑)。

金属が好きだから、金属のものは何でもよく目に入って。工場にあるようなよくわからない金属の箱とか、飛行機とか…。それで目にするリベットで止めてあるあれが好きなの。

もう安全ピンと同じくらい、構造的には…萌え。

だって、穴と同じ大きさの棒を入れて上と下を切ったらもう動かないって、すごくない?
物質的には別のものが、ピタッと固定されるという夢の現象(笑)。

それと、「ポチッ」出てる感じも好き。

だから「ポチッ」が表面に出るように最後にカシメる。
もう、この最後の作業の満足感と言ったら!

(つづきます)

AL brooch